イタリアのトスカーナ州のとある病院にて、一人の少年が花束を抱えてただ悲しみにくれていた。
「ほら、今日はバレンタインなんです綺麗な薔薇を持って来ました。」
しかし、その言葉に返答はなく、ベッドの上の少女は脂汗にまみれ、苦痛の表情で身をよじる。
少年は悲しそうなブルーの目で彼女を見る。
「貴方が僕の幻術でいくら楽に出来たらいいだろうか」と、悲しみに暮れる。
彼女は幻覚と幻痛で苦しんでいるのだ。
恋人の少年に気付きも出来ずに。
少女は小さく、むくろ、と言った。
少年はその言葉で彼女に抱き着いた。
少女の粗い吐息が和らぐ。
少女は知るか知らないのか腕を少年に回してもう一度少年の名を呼んだ。
少年、骸は泣いた、無力で何も出来ない自分を歎いた。
愛してるよ、だからいつかその幻覚に僕の幻術が勝ってみせるよと。
君のナイトメアを終わらせたい。
(ほら、綺麗な世界だけを貴方に見せたいんです。)
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