だから私はあのルビーに吸い込まれて恋に堕ちて今にいたる。
骸はブラジャーの中に両手を包み込むように入れた。
肌の温度の温かさに安堵を覚え恍惚となる。
こうやっていると私と六道骸は一つに溶け込んだみたいだ。
でも六道骸というのはただ一つの幻覚に過ぎず、彼に本来の肉体はそもそもなく、あるのだとしたらただ過去の六つの重なる人格が統合されてそれが宿った赤き瞳のみ。
この体温はその瞳がなす幻にしか過ぎず、愛する人の肉体はとうに朽ち、本来はただの防腐されている死体なのだ。
だから、
私に彼を愛してはいけない。
死人に恋をしたら亡くした時の喪失が恐ろしい。
しかし愛してしまったならしかたがないではないか。
ならせめて貴方の一方的な被害者であり続けよう。
彼を失った時の傷もそのせいに出来るように。
磁石は惹き合いながらも反発し続ける。
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