友人の名前を今一度読んでみる。
でも瞼は動かない。
当然だ。
彼女は死んでしまったのだから。
でも不思議と悲しみはなかった。
…だって彼女は助けられたのだから。
噂の死に神によって。
「よかったね」
これ以上の苦しみを味わわなくて。
彼女の地肌が半分以上さらけ出されている頭をみた。
「…自慢の髪だったものね」
ツヤのある美しい…
私にも死に神は表れてくれるのだろうか?
私は一先ず、ナースコールを入れる事にした。
−彼女の死を伝える為に。
お葬式には当然出る事は許されなかった。
私は心臓に打たれた点滴が減っていくのをただじっと見ていた。
私の寿命は後どれくらいかな?
すると誰も尋ねる筈のない扉が静かな音をたてて開いた。
伸びる黒い影。
「君も自殺志望者かい?」
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