「貴方が噂の死に神さん…?」
「そうとも言えるし、そうでないとも言える」

死に神は黒づくめの一人のすらりとした少年だった。
長い前髪の隙間から覗かせる冷たい釣り上がった瞳が私を見据えた。
「…で先程の質問の答えは?YES、NO?」

私はドキリとした。
まさかこんなに早くその機会が来るなんて思ってもいなかったから。
「ど、どうしてこんな事をするの…?」
「君には関係ないよ。…それで、覚悟は決まったのかい?」
人それぞれ事情があるんだよ、と彼は言った。

私は意を決して慎重に言葉を紡いだ。
「実は今日は私の誕生日なんです。…死と変わりに願い事、叶えてくれますよね?」
一瞬相手はびっくりしたような顔をしたが、すぐに内容は、と促した。
「私を殺して、死に神さんのお供にさせて下さい」
絶対に足手まといにはなりませんから、と。

そしてその後から死に神は表れる事はなかった。
ただ、その隔離病棟に見舞いに来る少年が来るようになったという。
ただ唯一の家族が出来た、と。

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