私は鏡の中で微笑んだ。
完璧な縦ロールにピンクのチークとリップを描いて、瞳の上にラインを引いてマスカラをたっぷり塗ればもうお出かけの時間。
サックスの薔薇が散るボンネットを被って、私は家を出る。
バレーシューズが奏でるのは蒼い空のメヌエット。

電車の中はこの時間帯はがら空きで、私は何時もの特等席に座る。
窓から流れる風が心地よい。
停車駅で降りる。
そしたら、ほらそこに学校が。

私が下駄箱に向かおうした時に何時も通りがぱちんとはじけた。 眼前には黒いズボンにオフのカッターシャツ、血のような色のネクタイが風を孕んで舞う・・・。

私はそれの横を通って下駄箱に入ろうとした。
すると右腕に強い力が加わったのを感じた。

私は振り払って前を向こうとした。
でも顎を持たれ目線を合わされる。
黒い漆黒の瞳。
私はそれに引き寄せられるかのように見入ってしまった。

「君、風紀を乱すのはやめてくれる?」

彼の唇はそう紡いだ。

『どなた?』

気がつくと私は唇を動かしていた。

「質問をしているのはこっちだよ」

彼は手に金属のパイプのようなものをちらつかせた。

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