「僕の名は雲雀恭弥」

なんで僕はこんな奇天烈な女子に名を名乗っているのだろう。
どうしてか、自分で眼を合わせるように彼女の顎に手をやってしまった。
目線が合う。
・・・気まずい。

それを破ったのも彼女だった。
『私の名前は      』

綺麗な声色で彼女ははっきりとそう言った。

でも名前なんて事前に調べてある。
彼女についての資料なんて生徒会室に戻れば山とある。

「知っているよ。
僕が聞きたいのはその格好」

手を顎から外し、目線を逸らした。

『これはロリィタファッションっていうの』

彼女がスカートを持ち上げて一回転したのが眼の端にぼやけて映った。
きっと彼女はあの写真のように微笑んでいるのだろう。

他の生徒がまばらに登校してくるのが遠くに見えた。

「君、こっちに」

僕は衝動に突き動かされるまま彼女を下足のまま、校内に上がらせた。
手首を離さないまま、階段を上ってゆく。

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