しるし
ゆっくりと今日一日の浸かれの吐息を吐き、お風呂に浸かっていた頃だった。
コンコン、と扉が叩かれ人影がみえる。
『恭弥君ー?』
ガラス製の扉でもちゃんとノックの音がするのは彼が自分のトンファーで叩いているから。
「はいるよー?」
『はーい』
大きな声で返事をすると恭弥が入って来た。
『お帰りなさい』
というと適当にうんとか言ってシャワーを一浴びしてジャボジャボと浴槽に入ってきた。
そして近づくや否や抱き付いてきて頬にキスをした。
「愛してる」
何時もこう。
甘えん坊さんな恭弥は何時もこうしてくる。
首に顔を埋めて安堵のため息をする。
そんな恭弥に頭を、お仕事お疲れ様とくしゃくしゃとしてやった。
んー、と満更でもなさそうな声を出して首筋に唇を何度も添える。
その間も頭をわしゃわしゃやっていたら、突然手首を掴まれた!
「ねぇ、君…、」
彼が凝視していたのは胸元に散らばる朱い痕。
『あ、それ今日病院で心電図したからその痕だよ。』
でも、恭弥の眼光の鋭さは変わらず、
「誰かに見られた?」
『そりゃあ…だって心電「咬み殺す!」
急に立ち上がって私の手首を引っ張ってゆく。
『ちょ、恭弥君!
びょ、病院だからしかたな…ってトンファー持たない!
ちょ、何処に行くつもりだ、てかやめなさーい!!』
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