別に私達は会話をする訳ではない。
最初こそ新しい空気に戸惑い、遠慮こそしたが、今では同じ空間を共有しているだけでなんだか嬉しい。
雲雀さんは私の架空の理想像となった。
彼は無口で私が知らない事が多いから、と私が勝手にこの歳月をかけて造った彼ではない彼。
きっと彼は無口だけれどそれははにかみ屋だからとか(言葉が素っ気ないのもきっとこのせい)、よく不良達と喧嘩しているらしいけれどそれは正義の為だとか…
…色々と空想した。
それだけ私が応接室のソファーで寝たり、自学習をしたりしている時間を持て余していたから。
私は甘えていたのかもしれない、虐めもないこの平和な空間に。
遠くでチャイムが聞こえる。
「起きたら。また他の群れにやられるよ」
彼は私にそう言った。
きっとこっちを見もせずに言っていると思う。
「…中間テストが明日から始まるけど、ここで受ける?」
いきなりソファーに寝転んでいた私の瞳を覗き込む。
心臓が弾ける。
「…せっ、先生方はそんな事許しますかね?」
びっくりして慌て返答したものだから声が変になってしまった。
これで嫌われたらドウシヨウ…
「大丈夫。並盛の秩序は僕だから」
そう彼はそう言って、また自分の席に戻ってしまった。
結局私はお言葉に甘えてテストは応接室で受ける事にした。
今更もう教室には戻りたくないし…、
友達?
…友達って表面上のものであって、結局は赤の他人。
私は今、色々と噂の対象になっているらしい。
雲雀さんの…事でらしい。
雲雀さんの僅かな会話で知った(最も、私とではなく、草壁?さんとだったが)。
それで咬み殺したらしい…私の友達だった人達を。
そう、流してた火種は元の友人だったのだ。
別になんの情も湧かない。
私には…雲雀さんがいる。
私の想像した架空のヒーローが。
私は早く帰って明日のテストに備える事にした。
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