私は苦しくて、早くその場から逃れたかった。

リストカットなんて現実逃避の一つで、でも私が生きる為には必要なものだった。

苦しさや辛さは血と共に流れ落ちる。
私はその苦しさが形になって私を捕らえるのが嬉しい。

だって、誰も気付けないから。
私がこんなにも苦しいのを…。

人々はこれを見て眉を潜めたり、顔を逸らした。

 …気持チ悪イ …人間トシテ最低
…気違イ…

それが更に私の傷を増やしていった。
でも貴方は違った。

気付いてくれた。
私を心配してくれた。

そして今は…

「…っ、わからない。
どうしたら君をその闇底から救えるのか、わからない」

私の為に……、
 ……………泣いているの?

彼は私の瞳を見据えて言う。
「何かあったら僕に言って。
こんな事、許せない。
君を追い詰めているもの全てを咬み殺してみせる」
小さく…風紀が乱れるからね、と顔をそらして付け加えた。

それがなんだか嬉しくって、
「…っ、わ、と突然抱きつくな!」

これは雲雀さんが初めて優しさを知った日、
そして私と雲雀さんが社会と戦い、乗り越えると誓った日。

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